革細工に必要な機械。というと、まずはミシン。
手縫いも可能ですが、量産は不可能ですからね。
そしてもう一つ、必ず必要な機械がこれ。
なんの機械か見当がつきません。
鉄の台の上にアームが伸びています。
横から見るとこんな感じ。
これは革漉き機といって革を薄くする機械です。
聖書カバーに使われている革は1,4mmの厚さがあります。
でも本体部品、内側フラップ、ファスナーマチ等をそのままの厚みで作ってしまうと、
ぶ厚くて、ワイルドな(やぼったい)聖書カバーになってしまいます。
ミシンでも縫いにくく、重さも増えます。
そこで革漉き機の出番。
送りローラーとドラム型の刃が回転して革の厚みをスライスするように薄くします。
2枚重ねるところは半分の厚みに、折り返すところはもう少し薄く。
0,01mm単位で厚みの調整が求められます。ゲージで計りながらダイヤルを回して厚みを調整してゆきます。これで聖書カバーの各部品を
それぞれちょうど良い厚みに薄くするとミシンで縫いやすくなり、 エレガントで落ち着いた雰囲気のカバーに仕上がります
一見簡単な革漉き作業。でも革の硬さ、部位によって
同じ厚みに設定していても、厚く仕上がったり薄く仕上がったりします。
刃に入れる向きや角度、力加減も大事。奥が深いです。
漉いた部分を手の感覚で計りながら微調整できるようになったら
一人前です。